CASE REPORT 04
上の前歯のガタガタを
インビザライン・ファーストで改善した症例
7歳3か月|インビザライン・ファースト|小児矯正
CASE SUPERVISOR
高槻ミライ歯科・矯正歯科
院長・歯科医師 森泉 隆
お子さまの歯並びだけでなく、永久歯への生え替わりや顎の成長も確認しながら治療計画を立てています。
今回は、「上の前歯がガタガタしている」というお悩みで来院された、7歳3か月のお子さまの症例をご紹介します。
特に上顎の2番目の前歯が斜めに生えており、上下ともに永久歯が並ぶためのスペースが不足していました。
そこで今回は、混合歯列期のお子さまを対象とした「インビザライン・ファースト」を使用し、上下の歯列を広げながら、前歯とこれから生えてくる永久歯のためのスペースを確保していきました。
症例概要
- 年齢
- 7歳3か月
- 主訴
- 上の前歯がガタガタしている
- 診断・特徴
- 上下の歯列弓が小さく、特に上顎前歯部に歯が並ぶためのスペース不足がみられる混合歯列期の症例
- 治療内容
- インビザライン・ファースト
- 治療期間
- 約1年6か月(加速装置使用なし)
- 治療費
- 550,000円(税込)
- 担当医
- 院長 森泉 隆
治療前後の比較
上の前歯、特に2番目の歯が斜めに生えていました
永久歯が並ぶスペースが不足
この患者さまは、「上の前歯がガタガタしている」というお悩みで来院されました。
特に上顎の2番目の前歯が斜めに生えており、永久歯がきれいに並ぶためのスペースが不足していました。
さらに上下の歯列を確認すると、上下ともに歯列弓が小さく、このまま乳歯から永久歯への生え替わりが進むと、これから生えてくる永久歯のスペースも不足することが予測されました。
現在見えている前歯だけではなく、まだ乳歯が残っている部分についても、これから萌出する永久歯の大きさや位置を考えながら治療を計画します。
なぜ歯がガタガタに重なってしまうのでしょうか?
歯が並ぶスペースと歯列弓の大きさ
歯が重なって生える「叢生」が起こる理由の一つが、歯の大きさに対して、歯が並ぶためのスペースが不足していることです。
では、歯列弓の大きさは何によって決まるのでしょうか。
歯列弓の幅や長さ、口蓋の深さなどには、生まれ持った遺伝的な要因が関係していることが報告されています。
顎や歯列の大きさには遺伝的な影響があります。ただし、成長の仕方が遺伝だけで決まるわけではなく、成長期の環境やお口の機能も関係します。
2023年のシステマティックレビュー・メタ解析では、上顎・下顎の歯列弓幅、歯列弓長、口蓋の深さなどについて遺伝的影響が報告されています。一方で、研究全体のエビデンスの確実性には限界があります。
Giri J, Bockmann M, Brook A, et al. “Heritability of dental arches and occlusal characteristics: a systematic review and meta-analysis.” European Journal of Orthodontics. 2023;45(6):854–867. doi:10.1093/ejo/cjad061
成長期には、歯並びだけでなくお口の機能も確認します
口呼吸などの影響
成長期のお子さまでは、遺伝的な要因だけでなく、呼吸や舌の位置など、お口の機能にも目を向けることが大切です。
2026年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、口呼吸をする小児は、鼻呼吸をする小児と比較して、上顎の犬歯間幅や臼歯間幅が狭い傾向が報告されています。
口呼吸などの習癖やお口の機能に問題がみられる場合には、その原因にも目を向けながら治療方法を検討することが重要です。
こうしたお口の機能や習癖へのアプローチを行う治療の一つに、「マイオブレース」があります。マイオブレースについては、別の記事で詳しくご紹介します。
Lekvijittada K, Uengkajornkul P, Changsiripun C. “Dental arch dimension and palatal morphology in children and adolescents with mouth breathing: a systematic review and meta-analysis.” BMC Oral Health. 2026;26:1047. doi:10.1186/s12903-026-08349-9
成長を待つだけで、十分なスペースができるとは限りません
自然成長による歯列弓の変化
「まだ7歳だから、成長すれば自然に顎が広がるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、成長に伴って歯列弓の幅は変化します。しかし、その変化量は部位によって異なり、永久歯が並ぶために必要なスペースが自然成長だけで十分に確保されるとは限りません。
引用した縦断研究では、成長による歯列弓幅径の変化は、測定する部位によって約0.5〜3.2mmと報告されています。
この研究では、上顎犬歯間幅は平均3.21mm、上顎臼歯間幅は2.16mm、下顎犬歯間幅は1.52mm、下顎臼歯間幅は0.50mm増加していました。
そのため、永久歯が並ぶスペースが不足すると予測される場合には、永久歯がすべて生え揃うまで待つのではなく、成長期の段階から矯正治療を検討することがあります。
Ribeiro JS, Ambrosio AR, dos Santos-Pinto A, et al. “Evaluation of transverse changes in the dental arches according to growth pattern: a longitudinal study.” Dental Press Journal of Orthodontics. 2012;17(1):66–73.
インビザライン・ファーストで歯が並ぶスペースをつくります
上下の歯列を広げながら前歯を整える
今回は、混合歯列期のお子さまを対象としたマウスピース型矯正装置「インビザライン・ファースト」を使用して治療を行いました。
形の異なるマウスピースへ順番に交換していくことで、治療計画に沿って少しずつ歯を移動させていきます。
上下の歯列をマウスピースによって広げることで、重なっている前歯を並べるためのスペースをつくります。
さらに、まだ乳歯が残っている部分については、これから萌出する永久歯の大きさを予測し、永久歯が生えるためのスペースを確保しながら治療を進めました。
混合歯列期では、現在の歯並びを整えることと、永久歯が生えてくるためのスペースを確保することの両方を考えて治療計画を立てます。
マウスピースによる歯の移動シミュレーション
下の動画は、今回の治療計画で使用した歯の移動シミュレーションです。
上下の歯列を広げながら前歯を整え、永久歯が生えるためのスペースを確保していく過程をご覧いただけます。
インビザライン・ファーストによる歯の移動シミュレーション
前歯のガタガタを改善し、永久歯のためのスペースを確保
約1年6か月の治療により、斜めに生えていた上顎の2番目の前歯を含め、上顎前歯部のガタガタが改善しました。
また、上下の歯列を広げることで、現在の歯並びを整えるだけではなく、これから萌出する永久歯のためのスペースも確保しています。
前歯の歯並びを整えながら、永久歯への生え替わりを考慮した歯列のスペースを確保しました。
治療後の左右からの噛み合わせも確認します。
小児矯正では、治療が終了した時点の歯並びだけではなく、その後の永久歯への生え替わりや顎の成長についても継続して確認していくことが大切です。
治療に伴うリスク・副作用
- マウスピース装着時に違和感や痛みを感じることがあります。
- 取り外し可能な装置のため、紛失や破損の可能性があります。
- 医院から説明された装着時間・交換期間を守らない場合、計画通りに歯が動かない可能性があります。
- 歯の動きには個人差があり、治療計画の変更や追加のマウスピースが必要になる場合があります。
- 成長や永久歯の萌出状況によって、治療期間や治療方法が変更になる場合があります。
- 第一期治療終了後も、永久歯への生え替わりや歯並びの状態によっては追加の矯正治療が必要になる場合があります。
治療結果・治療期間には個人差があります。
高槻ミライ歯科・矯正歯科
院長・歯科医師 森泉 隆
小児矯正では、今見えている歯並びだけでなく、これから生えてくる永久歯や顎の成長まで考えながら治療計画を立てることが重要です。
「前歯がガタガタしてきた」「永久歯が生えるスペースが足りるのか心配」といった場合も、お子さまの現在の成長段階を確認したうえで治療の必要性や開始時期をご説明します。
CONSULTATION
まずは無料相談から
お子さまの歯並びや噛み合わせ、生え替わりの状態を確認したうえで、現在のお口の状態や成長段階に合わせた治療方法をご説明します。
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